単元:数学T 三角比 正弦定理 1時間目
パソコンの利用状況:クラスの半数は,1学期に2回Grapesを使っているが,残りの半数は今回が初めてである。2学期になってからは,全員今回が初めてである。
〔生徒の感想〕 感想,授業の理解度(A〜C),授業への参加度(A〜C)の順番 (先生:)は,教員のコメント
もう少しマウスに慣れた方が良いと思った。B,A
がんばった。計算するのが大変だった。電卓なのに。B,A(注:Grapesの関数電卓のこと)
楽しくてよく理解できた。A,A
ちょっと分からなかったけど,いつもより楽しくてやる気になるかも。B,A
図形が簡単に動かせるからいいなあと思った。A,A
パソコンを使ったほうが分かりやすいと思いました。A,B
何をやっているのかよく分からなかった。C,B
証明のためにやっているのは最後に分かったけど,やっているときは何をしているのかよく分からなかった。C,B
コンピューターを使っての授業の方が分かりやすく楽しかった。B,A
パソコンを使用すると,理解がしやすく楽しく思える。B,A
やっていることは楽しくていいが,いまいちよく理解できない。B,A
おもしろいけど,集中力が続かなかった。A,A
パソコンはとても分かりました。(分かりやすかったです。)それにおもしろかったです。A,B
分かりやすかった。でも最後の頃,時間がいっぱいいっぱいだったため,早く内容が進んだのでちょっと??だった。しっかり復習する。B,A
あまりよく分からなかったけどおもしろかった。B,B
マウスを使って電卓を使うのは,初めてだった。いろいろな外接円がつくれて楽しかった。A,A
けっこう難しかった。調べるのがおもしろかった。少し速かったので,ついていけないときがあった。B,A
初めてコンピューターで授業を受けたけれど,コンピューターの機能がすごかったし,おもしろかったです。B,A
コンピューターで数学をするのは初めてだったけど,おもしろかった。むずかしかったけど。B,A
コンピューターを使ってすごく分かりやすい授業だった。B,A
コンピューターを使っての授業をやったのは楽しかった。でも,いい感じの値がでてこなくて残念だった。B,A
コンピューターは苦手。B,C
AC(=b)とsinBとの関係が少しといいますか,かなり分からなかった。B,B
何をしているのかよく分からなかった。なぜa/sinAなのかなど。なぜあの式になるのかも疑問。B,A
やり方は分かったが,何のためにやっているのかよく分からなかった。円がずれてむずかしかった。B,A
平成13年12月12日(水)5校時 高校1年B組(女子24名出席・2名欠席)
単元:数学T 三角比 正弦定理の証明 2時間目
内容:前時のコンピューターを使った正弦定理の実証を受けて,定理の証明を試みる。
〔生徒の感想〕 感想,授業の理解度(A〜C),授業への参加度(A〜C)の順番 (先生:)は,教員のコメント
まだよく分からなかったので,家でもう一度解いてみたいと思う。C,B
今日の数学は中学のときの定理をたくさん使っていてなつかしかった。やっぱり覚えていないといけないなって思った。A,A
パソコンのほうが楽しくできる!! B,A
昨日より分かりやすい。A,A
証明は難しいので,がんばりたいです。B,B
証明自体がよく分からない。C,C
今日の授業は楽しかった!!できるようになりたいなって思いました。B,B
難しかったけれど,がんばって解いてみた。B,A
もともと証明のようなものは苦手だったので,難しかった。B,B
昨日より理解は深まったと思う。A=90も分かれば,正弦定理は理解できると思う。B,A
勉強します。C,A
証明がよく分からない。B,B
三角形のほう(A<90のとき)は分かったけど,四角形のほう(A>90のとき)がよく分からなかった。証明って,不思議...。B,A
ムズカシイ...B,B
A>90のときが難しかった。円周角の定理など,すっかり忘れていた。A,A
証明がおもしろかった。定理を覚えてなくて大変だった。難しかった。B,A
A<90の場合よりA>90の場合の方が内容が濃くておもしろかったです。A,B
理解はまあまあ。帰って復習するようにがんばります。B,B
けっこう分かった。でも,自分で証明しろといわれたらできません...。B,B
苦手な証明がけっこう分かって楽しかった。A,A
sin(180-A)=sinAのところで,ものすごく感動しました。やはり一個一個の式を覚え,生かさなくてはならないのですね。A,A
証明ってかなりすごいと思った!! 思ったより証明のやり方は簡単だと思った。B,B
ちょっと理解できていないところがあった。逆数がちょっと...分からなかった。B,B
なんとなく分かった。証明はまあまあ楽しいかも。B,B
〔授業の分析〕
1 生徒の授業の理解度,参加度について
@三角比 正弦定理の発見(コンピューター教室) 1時間目
A | B | C | |
授業の理解度 | 6名 | 17名 | 2名 |
授業への参加度 | 18名 | 6名 | 1名 |
A三角比 正弦定理の証明(普通教室) 2時間目
A | B | C | |
授業の理解度 | 6名 | 15名 | 3名 |
授業への参加度 | 10名 | 12名 | 1名 |
2 コンピューターを使うタイミングと教材について
実は今まで,正弦定理を扱うときにこの定理をどのようにして導入するか,いつも悩んでいました。三角比の応用に入って初めてでてくるこの定理に,どのようにしたら生徒が興味を持つことができるか。これは切実な悩みでした。
今回,愛知県総合教育センター研究部教科研究室数学担当(http://www.apec.aichi-c.ed.jp/shoko/kyouka/math/itkatuyou/rei2/sei_hakken.html )の,「正弦定理の発見」教材をGrapesを使って行ってみました。
生徒の感想から,全員熱心に取り組んで「三角形の角度や辺の長さを変化させても変わらない一定な値があることを発見する」という目標が達成できたものも多くいましたが,なぜa/sinAがでてきたのかという疑問は起こっても不思議でないような気がしました。実は私自身疑問に思いながらも調べられずにきた,「正弦定理の発見の過程」を生徒に分かりやすく話すことができると,この定理に対する理解が深まる,あるいは「なぜa/sinAなのか」という疑問には何らかの生徒が納得できる説明をすることができるのではないかと思いました。
また,コンピューターを使うタイミングについてですが,今回は正弦定理について何も学習せずに1時間目でコンピューターを使って発見学習的な方法を行いました。しかし,これまでの事例では先に学習の動機付け,コンピューターを使って次の時間にやる内容を前時に指導してもらった方がよいという生徒の感想が多くありました。もっともな意見であると思うのですが,実際のところは,コンピューター室が使える時間と,使いたい授業の時間とが必ずしもうまく合わないこと,授業進度をあまり遅らせないようにする必要性から,前述の生徒の気持ちを解消することはなかなか困難な状況です。
例えば今回の場合,「三角形の外接円の半径の長さはどうやって求められるか」という課題を設定して,正弦定理の導出を先(1時間目)にやってから,コンピューターを使って正弦定理の実証を(2時間目に)おこなう流れにしたほうがよかったのかと考えてしまいます。次回は流れを逆にしてみることも検討したいと思います。